般若の自伝「何者でもない」は全B-BOYが読むべき!フリースタイルダンジョンのラスボス、武道館のワンマンライブ敢行!生ける伝説のラッパーがここにいる!
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「バイトじゃねぇ、俺はヒップホップに就職!」、この名ラインを聞いてテンション上がったB-BOYはすぐに読むべき本があるんです。
フリースタイルダンジョンのラスボスで、武道館のワンマンライブも成功させた伝説のラッパー般若。そんな般若の自伝「何者でもない」、これは日本語ラップ好きのマストです、義務教育レベルです。
遅まきながら読んだのですが、なぜもっと早く読まなかったのかと激しく後悔。どの1文、いや1単語をとっても般若がにじみ出てくる。切ったら血が出るそんな自伝。
ありがとう!感謝、般若!
・ラッパー般若が好き!
・日本語ラップを聴いていると元気が出る!
という人にむけて書きました。
最初に結論から!
- 般若の自伝「何者でもない」は、全ての日本語ラップ好きは読むべき!
- 下積み時代エピソードは、全ての売れない人たちが共感しエネルギーがもらえる
- 伝説のラッパーの内面がさらけ出されている
苛められっ子から、武道館、ラスボスへ!
東京世田谷区三軒茶屋を代表するラッパー般若、日本語ラップ好きで知らない人はいないんじゃないでしょうか。ヒップホップグループ妄走族のMC、そしてソロ活動、フリースタイルダンジョンのラスボス。
日本語ラップシーンを常に推し進めてきたラッパーの一人です。僕も長らくファンで、ライブにも足を運んだこともたびたび。
そのラッパー般若の自伝「何者でもない」を読破。素晴らしいです、もっと早く読んでおけば良かった。
その昔、Nikeの創業者フィル・ナイトの自伝「SHOE DOG」を読みました。これも非常に名著で、スニーカー好きとしても大満足の一冊でした。しかし、如何せんアメリカの話で、何となく親近感が湧かなかったのも確か。
しかし、般若の人生は親近感が湧く。今でこそカリスマですが、子供の時はいじめられっ子だったと告白しています。
同じ極東の島国で育った少年が、どうやってカリスマラッパーになったのか。読んでいて、手に思わず汗が湧き出てくる、心がヒリヒリしますね。
そうして、何より面白いのが、般若は自身の楽曲やバトルで自分の生い立ちを盛り込んでいます。「何者でもない」を読みながら、
あ、ここ!あの曲でラップしていたことなんだな!
と分かる。これが茂木健一郎もびっくりのアハ体験。
日本語ラップが好きな人、般若のアルバムを1枚でも聴いたことがある人、買わないなんて選択肢は1mmもないのです!
「何者でもない」のおすすめポイントは下積み時代
般若独自の文体でつづられている「何者でもない」。個人的に一番好きだった部分、一番響いた部分はまだ売れていない下積み時代の話。
ラッパーとして活動しても食えない頃の話。世の中で活躍している人はみんな下積みだったり、芽が出ない時期があると思うんです。そこが知りたい、なぜなら自分もまだまだブロガーとして下積みだから。
成功して華々しいシーンもいいけれど、どうやって下積み時代を乗り越えて、影響ある存在になれたのかこそ興味があるんです。
ネームバリューがある人は、何かをしても、普通の人に比べて成功しやすい。では、どうやってネームバリューのある存在になれたのか。ここを知りたくないです?
般若もそんなジレンマをやはり抱えていたようで、
これだけライブ出てるのに食えないの?
アルバム出しても食えないの?
この頃はまだうっすらとなんだけど、俺は得体のしれない恐怖を感じ始めていた。
分かる、、、こんだけ記事書いても、収入伸びないのって俺思ってるもん。。。(笑) というか、何か夢を追っている人の気持ちを代弁してくれていますよね。
芸人、劇団員、ミュージシャン、ライターとか売れない時期みんなこの思いを持っているはず。
そして、面白いエピソードが。それは、ラッパーとバイトの生活をしていた時に、ライブをした次の日。
工事現場のバイトで、一回り年齢が上の先輩から昨日のライブを褒められる。すると、
「俺も昔は音楽やってたんだよね」
懐かしそうに過去を語るその人の目は、申し訳ないけど死んでいた。
―昔やってた。
おれは怖くなった。「今やってる」から「昔やってた」までの距離ってどれくらいだ?
うおおお、刺さる。。。そして、その時期を境に、般若は毎日リリック(ラップの歌詞)を書き始める様になったとのこと。
やはり、風穴を開けるのには地味な努力を継続するしかないんだな!
おれも頑張らないと。。。この話って、夢追い人全てに置き換えれる一種の寓話ですよ、もはや。
ラッパーの言葉はリアルでなければいけない!
般若の曲でも、発言でもたびたび出てくるアーティスト長渕剛との話も泣ける。もともと母親に女手一つで育てられた般若は、長渕剛の曲を聴きいじめられっ子を克服。
そのおかげもあって、長渕剛を自分の父親の様に感じていたんですね。
「長渕生まれ HIP HOP育ち」なんて曲でも言っていました。人生の節目節目に長渕剛が出てくる、そういう人と出会えるのもまた人生なんだよな、きっと。
そうして、この本の中で最もラッパーとして、表現者として覚悟感じたのが以下。
アンダーグラウンドシーンのラッパーがやる曲は、社会や人間のダークサイドをむき出しの言葉で抉り出すことが多い。自分の日常を赤裸々に綴った曲を作ろうとしたら、どうしたって聴き心地の良い言葉なんか使えなくなる。それを聴いて眉をひそめる人もいるかもしれない。
俺たちの言葉は、教科書には載っていない。でも、そんな言葉こそが俺たちにとっては真実であり、宝物であることは間違いない。
やはり、ラップをすることは「リアルであること」が大前提。そうじゃないラッパーは愛せねぇ。
この部分もそうですし、「何者でもない」は、般若の内面を全てさらけ出したそんな本。日本語ラップが今ほど市民権を得ていない時期に、ここまで日本でラップを定着させた立役者の一人。
ラップ好きでなくても、読んでほしい。向かい風の中で頑張っている人、目標を追っているけどうまくいかずもがいている人、そんな人たちも是非手に取ってほしい。
僕がこの記事に書いているのは本当に一部分だけ。そりゃそうです、あの般若の人生です、全て魅力を書くなんて到底無理。是非自分の目で確かめてみて下さい。
まとめ
では最後に、この記事のまとめです。
- 般若の自伝「何者でもない」は、全ての日本語ラップ好きは読むべき!
- 下積み時代エピソードは、全ての売れない人たちが共感しエネルギーがもらえる
- 伝説のラッパーの内面がさらけ出されている
死ぬまでにあと何回も読み返すことになるんだろうなぁ。般若のラッパーとしてのバトル・音源については、過去記事で詳しく説明していますので、こちらも見てください。
次は、D.O.の自伝「悪党の詩」を読まねば!(笑) 不意にわき起こるラッパーの自伝ブーム。笑